京急1000形(初代)後期車の製作⑦・・・3年ぶりに再開したが.....

前回製作記事が2021年7月だったので3年近くも放置していました。結局のところ3Dプリンター100%で製作すると非常に手間とコストが掛かりモチベーションも下がってしまうという事で、ボディなどの主要部分はGMキット・床下パーツ等は3Dプリンターや市販パーツを使っていく事にしました。まあ趣味のモンですから、楽しく作れないとね、ということで。

まずは3年放置したキットの作りかけの中間車をIPA漬けにして塗装を剥離。

続いて仕入れ。8両編成を作りたいのでGMエコノミー板キットの4両編成キット(No.423)・中間車2両キット(No.423-1)・パンタグラフPT43N(No.5905)とトレジャータウンの京急1000形手すりセット(TTP207-01)・京急1000形行先表示・幌枠(TTP207-02)も併せて購入しました。IMONさん実店舗でも通販でも品揃えしっかり揃っていて本当ありがたいです。思い立ったらすぐに揃えられますからね。

今回仕入れたエコノミー板キットの1000形、昔からある古いキットです。現行品で一体整形のトータルキットでも京急1000形集中冷房更新車が発売されているのですが、キットという名前ですが完成品がバラされているだけのようなもので、作る楽しみがあるかと言われると疑問が付くものです。トータルキットの完成度は非常に高いのですが、キットは作る過程を楽しむものなので敢えての板キットで集中冷房更新車を作ってみようと思います。

まずはキットの様子を見てみましょう。板キットはトータルキットと違い、プロトタイプは1207〜1242を分散冷房改造したもので、さまざまな相違点があります。大きな違いは屋根上の冷房装置と床下の台車で、冷房装置はキットに分散冷房と集中冷房の両方が付属しているので良いのですが台車は川崎車輛のOK-18と東急車輛のTS-310の2種類が市販されているものの肝心の集中冷房車で使用している空気バネのTH-1000はトータルキットに付属しているだけ分売はしていません。床下パーツも似ても似つかぬものが入っているので、台車と床下機器は以前CADでモデリングしたものを3Dプリントして使用する事にします。

では組み立てていきましょう。まずは中間車から。種別・方向幕・サボ受けはトレジャータウンのパーツを使用するので、箱型に組み立てる前にモールドされているものを削り取ります。

ダイソーのスポンジやすり最高に使いやすいです。まず#600でおおまかに削り、その後#1000で綺麗に仕上げます。戸袋窓のHゴムまで削らないように注意しましょう。

屋根上のモールドは分散冷房車のものになっているので全て削り落とした後、箱型に組み立てます。張り上げ屋根の車体は屋根板と側板の継ぎ目がはっきりとしないのでズレないように注意して流し込み接着剤でしっかりと組み上げます。古い金型が原因なのか、それでも隙間はできてしまうのでパテで埋めて修正しておきます。

 

Nゲージ15両収納ケースの製作

以前、Nゲージ16両収納ケースの製作というのを掲載しましたが、このケースの欠点として車体を縦に並べるため輸送中に車体が動いて連結器に負担が掛かってしまい台車マウントのKATOカプラーが折損してしまう事故がたびたび発生してしまいました。

そこでしっかりと車体を固定して連結器にも負担がかからず収納性能も極力落とさないようなケース構成を考えてみました。その結果このようなケースができましたので紹介したいと思います。

見た目はこんな感じです。材料は旧型と同様ダイソーのA4ワイド書類ケースを使用しました。それでは製作方法を書いていきましょう。

①カラーボードを 300mm X  210mm にカット

ダイソーのカラーボードを使用しました。色はなんでもOKです。今回は白を使いましたが、黒でも全然構いません。

②140mm X 25mm を12本・210mm X 25mm を2本作成

カット材を作成します。旧ケースで使っていた部材を再利用したので汚れていますが、どうせ新品を使っても汚れるので無問題です。

③ゴム系接着剤で接着

写真のような形状に接着します。車両が入る場所の一つの幅は29mmです。板厚を含めると34mm毎に並べると綺麗に並びます。タミヤセメント等の模型用接着剤だとボードが溶けてしまうので必ずゴム系接着剤を使うこと。接着剤が乾くまではこのまま置いておきましょう。この状態で模型を入れると接着剤が付いて悲惨なことになるので注意しましょう。

④カッターで凹みを作成

乾燥すると結構な強度で出来上がっていることがわかります。これならガッチリ保持できますね。でもそのままの形状だと冷房装置やパンタグラフ等の屋根上機器が干渉して入りません。

下の写真のように冷房装置とパンタグラフのところをカッターで切り取ります。このようにすると車体が振動でも保持されるようにもなり連結器にも負担がかからなくなります

⑤1両は真ん中に縦収納

このような分割方法だと素直に入れると14両しか入りません。東海道線横須賀線のように15両編成などの場合はできれば1つのケースに収納したいですよね。そこで1両だけは縦に収納するため2枚の縦仕切を削って縦に車両が入るようにします。

 

これで完成です。あとは蓋にプチプチを貼って車両の保護をしましょう。E233系は10両基本編成しか持ってないので、空いてるスペースに115系を3両だけ入れてみます。JR東海インバータクーラーだと薄いので仕切りを削らなくても入りますね。

 

167系H11編成の製作⑤

完成した東チタH11編成を見ていきましょう。

 

1号車・クハ165-3

熱海寄り先頭車で、この車両だけはカトー完成品165系モントレー色を塗り替えたもので、ベンチレーター別体化を行っています。冷房化改造時にMGが増設され、JR化後の車体更新時にトイレが撤去されて床下の水タンクも撤去されています。模型ではMGが無く水タンクがある形態をしていましたので、ストックの機器からそれっぽいものを組み合わせてMGっぽくしています。ライトのLEDは旧製品で橙色だったので電球色LEDに交換、内装も塗装して自作テープLED室内灯を付けておきました。

 

2号車・モハ167-1

車体は155系・屋根と妻板は113系、足回りはジャンクのクモハ165から拝借しました。内装と窓はジャンクのモハ152から拝借しています。

 

3号車・モハ166-1

先行試作で作成した車体をそのまま使っています。車体は155系、低屋根部は101系・その他屋根は113系を使っています。集中クーラーAU72はトミックスの分売品、動力ユニットはジャンクのモハ164を利用しました。動力ユニットの状態が悪くキューキュー鳴る状態だったので全バラシを行い徹底的に洗浄と注油を行い、なんとかマトモに走るようになりました。

 

4号車・クハ167-1

東京寄り先頭車です。車体側面は155系、先頭部・屋根・妻板は113系、足回りはジャンクのクハ165から拝借しました。前面は実車同様、貫通幌とジャンパ線を付けています。クハ167は本来運転席雨樋が短いタイプだったようですが、雨樋を延長する工事が行われていましたので雨樋は運転席小窓上まで伸びた姿にしています。

動力付きの4両編成が出来上がりました。試運転も上々、なかなか良い感じに走ります。

今回の反省点としてはコストがかかり過ぎてしまった事でしょうか。4両編成を作るのに完成品を5両も使い、うち4両は部品採りで潰すという事をしてしました。もう少し工程を考えたらコストを抑えられていたんじゃないかと思っています。ただ完成品の窓流用は絶大な効果でした。見栄えは非常に良いものになったのですが、ただ今後同じ手法を使うかと言われるとちょっと考えてしまいますね。165系完成品に狭幅ドアを移設すれば167系になるんじゃないかと思うので、次作る際には工法を変えてみたいと思います。

167系H11編成の製作④

塗装作業に移ります。

まず傷消しとチェックを兼ねてサーフェイサーを吹きます。いつものMr.サーフェイサー缶スプレーをさっと吹きます。特に問題なさそうなので塗装作業続行です。

ここからはエアブラシを使用します。まずGMカラー(3)黄かん色から吹きます。今回はとにかく綺麗に仕上げたいと思ったので薄めに3回吹いてみました。なんとか市販車レベルの表面の滑らかさが出たかなぁ。

続いてマスキングを行いGMカラー(13)緑2号を吹きます。こちらも薄めに3回塗りしました。

屋根にMr.カラー(32)軍艦色2を吹いて車体の大まかな塗り分けが完了しました。113系と異なり塗り分けラインが直線しかないのでそんなに難しい事はありませんでしたね。マスキングを剥がした時のワクワクが良いですね。

床下は艶消し黒で塗装します。クハ165はMG装備・水タンク撤去した姿に加工、モハ167は水タンク撤去した姿に加工を行っています。クハ167の床下はジャンクのクハ165からそのまま利用しています。

続いて仕上げていきます。屋根上の冷房装置、押込型ベンチレーターをねずみ色1号に塗り、穴開けした位置にゴム系接着剤で貼り付けます。分散型クーラーAU13は若干浮いた感じになるので、接着剤が乾くまでt0.4のプラ板で浮かせて取り付けました。取り付けが終わったら客扉ステップにタミヤエナメルカラーXF-16フラットアルミ、洗面室窓枠はポスカ灰色、Hゴムはマッキー黒を差します。色差し完了したら特注インレタでJRマークと車体表記を入れてトップコート半艶を吹いたら完了です。

クハ167は順調に作業が終わったのですが、モハ167の方でトラブル発生。傾斜型押込ベンチレーターの穴位置がズレていることが判明しました。これは穴開けし直すしかないので、ランナー引き伸ばし線で穴を埋めて再度穴を開け直しました。

面倒ですがこの1両だけ屋根の塗り直しです。マスキングを行って軍艦色2を再塗装しました。

モハ167も同様の仕上げ作業を行い、これで一通りの作業は完了です。

167系H11編成の製作③

はめ込み窓の工法が(一番残念な方法で)決まったので、素材集めを始めます。

今回は4両編成キットを購入しました。H11編成は①の通り、1両は165系なのでこのキットのうち既に組み終わっているモハ166と引いて2両をこのキットから作ります。残り2両は色々遊んでみようかと思ってます。

クハ165はシールドビーム改造済みのモントレー色を中古で購入して湘南色に塗り替えます。車体の加工は特にありません。塗装を剥がす前にウェザリングの練習台にして前面を汚してみましたが、イマイチでしたね。もっと修行をしないと。

その他、台車DT32、集中型クーラーAU72、分散型クーラーAU13と斜押込型ベンチレーターのセットを購入しました。

素材が揃ったところで組み立て開始です。

まずクハ167の加工方法を検討してみます。

側面はクハ155で運転席小窓と乗務員室扉の表現が異なるので113系のサービスパーツを切り継ぐことにします。前面・妻面・屋根は113系の余りパーツを活用します。前面はクハ115用パーツなのでタイフォンの位置と形状が違うためGMタイフォンカバーに交換します。

では車体の加工開始です。窓は嵌め込み化するのでサッシを全て削り落としておきます。一緒にサボ受け等の位置も違うので削り落とします。167系は更新時にトイレ窓を埋めているので実車同様トイレ窓を埋めておきます。運転席部分は113系パーツを切り継ぎます。

サボ受け等のパーツはいつものトレジャータウンを使用、妻面も加工します。側面ステップは銀河モデルを使用しました。

-- ここからは個人的な考えです --

接合部は瞬間接着剤を使って接合してヤスリがけをしている方が多いように思いますが、スチロール樹脂同士を接合する場合は部材をほんの少しだけ大きめに切った後、流し込み接着剤で接合して乾く前に押し込むと接合部が盛り上がりますよね。完全に乾燥した後に盛り上がった接合部をヤスリがけすると綺麗に繋がります。スチロール樹脂と瞬間接着剤は硬度が違うのでヤスリがけする時にスチロール樹脂の方が硬度が低いので先に削れてしまい逆に後処理が面倒になるようなことが多いような気がします。

勿論、異素材を接着する場合はそれに合った接着剤を使えば良いのですが。

鉄道模型誌に関わらず、最近の様々なジャンルの模型雑誌で瞬間接着剤推しなのはどうなのかなぁ、と思った次第。

--ここまでが個人的な考えです --

前面パーツの加工を行います。今回使用するのはクハ115の前面で、タイフォンカバーの形状や位置が違うのでGMのスリット型タイフォンカバーに交換します。大目玉のシールドビーム改造車でタイフォン位置がちょっと低いのでタイフォンを削った位置から少しだけ低い位置の塗り分け線付近の位置まで下げて接着します。手すりはいつもストックしているトレジャータウン製を使いました。幌枠は貫通幌を付ける予定なので加工せずそのまま、渡り板は在庫がないためプラ板t0.4を切り出して貼り付けておきました。

一通りの加工が終わったら箱型に組みます。2種類のキットを組み合わせているので合いにくい箇所もあるのでパテで埋めながら接合します。オデコの部分はかなり段差が出てしまったので大量にパテを盛ってなんとかカーブを馴染ませます。

なんとかパテ盛り修正ができて車体の加工は完了です。

それでは塗装工程に移りましょう。

167系H11編成の製作②

今回製作している167系の窓をはめ込み化するにあたり、いくつかの案を考えて実験してみることにしました。

3Dプリンターで出力

窓の寸法を測ってモデリングしたのですが、平面が出ず全然ダメでした。透明レジンを使ってもガラスのような平面性が出ないので断念。

 

②型採り

3Dプリンターは断念し、完成品の急行型電車から型取りしようと思い海老名のポポンデッタで中古のクハ455を購入しました。これはコレで格好良いですよね〜。このまま急行型沼にハマりそうです。結局後日クモハ457・モハ456も買って3両編成にしてしまいました。東北急行も良いですなぁ(^^;

早速窓を外して油粘土で型取りし、透明UVレジンを流し込んで複製してみました。

流し込んだ後、UVランプで硬化させます。10分程度でOK。

型から外してみると、形状そのものは良いのですがやはり透明度がイマイチで、ガラスのような透明感を得ることが出来ませんでした。

③ジャンク品の窓を利用

2回の試作を得た知見として、やはり凸型・凹型の両方の型でプレスするような方法を取らない限り透明な平面は難しいことがわかり、現状自宅でできる工程では無理という結果となりました。

一番コストパフォーマンスが悪い方法ではありますが、完成品の窓を流用することにしました。幸い格安ジャンク品のクハ165,モハ152,クモハ165を横浜のぽちで¥1,100で入手することが出来ました。

これらの窓・床下を167系に流用します。Assyで窓と台車とパンタと床板を買うよりも安く上がったのでまあこれはこれで良しとしましょう。今回使わないボディも湘南大目玉の顔は今後使い道もあると思うので素材として取っておきましょう。

167系H11編成の製作①

初めて急行型電車を題材にしてみました。

167系は修学旅行用車両として製造されたもので、これまでの155/159系は153系ベースで製造されていましたがこの167系は165系をベースに製造されているため、モーター出力の強化や抑速ブレーキ搭載などの他、屋根は通常の高さまで上げられてパンタ付近だけ低屋根となっています。見かけ上165系との違いはドア幅が狭いところですかね。この167系、波動用として製造された故に走行距離もさほど多くなかったのか、2003年まで本来の用途である修学旅行や臨時大垣夜行などで活躍していた車齢38年の大変長寿な車両でした。この写真は1988年6月・東京-伊豆急下田を走った臨時快速です。私もこの車両で1982年6月に日光へ小学校の修学旅行に行ってますね。東北新幹線開業直前で宇都宮付近で東北新幹線200系が走行しているのをクラス全員で「うわっ、緑の新幹線だ!」と大騒ぎして見たことを今でも鮮明に覚えています。

さて今回題材にしたJR東日本田町電車区H11編成は以下の通り。

←東京                 熱海→

クハ167-1 + モハ167-1 + モハ166-1 + クハ165-3

トップナンバーで構成されている編成ですが、下り方先頭車だけ165系です。元々はクハ167-2だったのですが事故廃車となり代替として神領区から転属してきたものです。冷房改造時に編成が固定されてクハ165には冷房電源用MGが搭載され、車体更新時にトイレが半数撤去されました。

模型の方に話を移すと、急行型電車のキットは155系しかありません。(一応157系というのもありますが、あれは急行型なんでしょうかねぇ??)155系のキットの側板を使って、前面と屋根を113系の余りパーツで何とか出来そうな感じがしたので、まずは中間車のモハ166で試作してみます。155系中間車の車体バラ売りを秋葉原GMストアーで購入して眺めてみます。

窓配置は155系と167系では似ているのですが、この時代のキットは窓枠が一体になっていて嵌め込みにはなっていないんですよね。そこが難点なので窓は嵌め込み化してみましょう。屋根は113系の屋根と101系キットのサービスパーツである低屋根部分を組み合わせれば出来そうな感じです。妻板は切り継ぎするしかなさそうです。

まずランナーから切り離して窓のサッシを削り取ります。ボディの一部にひけがあったのでその部分もパテで修正しておきます。

113系の妻板と組み合わせて接着します。微妙にサイズが違うので調整しながら馴染ませていく感じで少しづつくっ付けていく感じで進めます。

113系の屋根と101系低屋根部を切り継いだ屋根板を接着します。冷房装置のランボードのサイズが113系と異なるので新たにランボードを作り直しています。低屋根側の妻面との接合部に隙間が出てしまったのでパテで修正しました。キットの寄せ集めなので微妙な曲率の差などが出てしまうので調整は仕方の無いところです。

155系と167系では号車札差し、種別差し、サボ受けの位置が違うので元のモールドを削りトレジャータウン製のそれらのパーツを貼り付けます。貼り付けた後はサーフェイサーを吹いて確認です。

先日の113系静シスT編成と一緒に湘南色に塗装を行いました。近郊型と急行型で同じ湘南色でも塗り分けラインが結構違うので印象が変わりますね。

窓の処理が決まらないのでモハ166の製作は一旦ここまでで中断。