京急1000形(初代)後期車の製作⑥・・・3Dプリントで車体をモデリングする

前回の投稿からかなり開いてしまいましたが、3Dプリントが結構難しくて色々と苦労をしていたもので投稿できるようなレベルにならなかったのが大きなところです。

さて、床下機器と台車がモデリングできたので、いよいよ車体をモデリングします。

とにかく3D CADも初心者なので、フィーリングで作るなんてことはまずできないので図面が無いとどうにもなりません。そこで資料集めから。元々手元にあったのは鉄道ピクトリアルの京急特集号(1980年9月/1998年7月/2017年8月)で、これらは各時代のディティールを確認する事ができますが、肝心の詳細図面が無いので調べたところ、イカロスMOOK「京浜急行電鉄・名車の軌跡」という本に車両竣工図表が掲載されているという事がわかり、古本をネットで入手しました。

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内容を見てみるとなんだか知っている人が対談しているのには驚きましたが(笑)、ちゃんと後半に資料編としてデハ230形から新1000形16次車(ステンレス塗装車)までの各形式が掲載されていました。旧1000形は試作形の800形(初代)から今回製作する新製冷房車までの各タイプが掲載されていましたので、資料として非常に有用になる本になりました。

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旧1000形は、試作形のデハ800/850形を除いて車体中心の扉を対象点にして前後が同じ寸法となっているので、側面のモデリングはさほど大変ではありませんが、問題は前面のオデコをどう造形していくかという未熟な技術での作業です。そこで作例を色々と検索したところ、「@nano factory」さん公式ブログにFusion 360を使用したおでこの表現方法が掲載されていました。ロフトという機能を使うとおでこが作れるという事で早速作ってみました。

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製作途中のスクリーンショットを取っていなかったのでいきなり顔が出来上がってしまってますが、前面は写真をそのまま投影させてトレースしたのでイメージはほぼそのままできました。所謂おでこの部分はロフト機能でそれっぽくできたので良しとしましょう。

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側面窓は図面の通り作成し、屋根と車体の継ぎ目部分に雨樋を付けました。出来栄えを確認するために屋根にグレー・車体に赤を付けるとそれっぽくなってきましたね。

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ここまでできたらカタチにして出来栄えをチェック。水平に出力して1時間程度で出来上がりました。全体的な寸法は問題なさそうです。ただ、写真のトレース通りに作ったのですが標識灯が小さいような感じがします。実物通りよりも「メリハリ」をつけて強調したモデリングをした方が良いのかも知れませんね。勉強です。

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車体のモデリングも大体出来てきたので確認のため白帯を入れようとしたら、側窓の位置が低く前面と高さが合わず白帯が車体一回りできない事が判明。側窓を一旦全部埋めて約0.3mm(実物で約50mm)上にずらした位置に側窓を開け直しました。見た目も良くなり白帯がぐるっと一回りできるようになりました。

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車体周りがほぼ出来上がったので屋根上機器を作り込みます。まずは一番難しそうな冷房装置をモデリング。車体更新後の姿なので冷房装置はCU-71DNというステンレスキセのもので、ファンの部分にメッシュが入ります。曲面の網目やルーバーの作成で非常にCPU負荷がかかってしまい、一番安いMacBook Airではエライ時間がかかってしまいました。やはり3D CADはマシンパワー喰いますねぇ。

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続いて誘導無線アンテナとその配管・冷房装置両脇のランボードを作成。誘導無線アンテナと配管は別体で出力するか一体で出力するか悩むところです。お遊びで行き先は急行・新逗子行きにしてみました(^^)

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最後にパンタ周りの造形を作ってモデリングは完了です。PCの中に鉄道模型が出来上がったので3Dをグルグル回してみるとワクワクしますよね。

次回は3D出力を行います。