京急1000形(初代)後期車の製作⑤・・・3Dプリンターで台車をモデリングする

今回は台車のモデリングを書きますが、まずは床下機器の続きから。出力後の反りを改善するため、一箇所あたりの反りを最小限に抑える目的で抵抗器を分割して出力することにしてみました。

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高さ、容積は同じなので出力時間もほぼ同じで40分ほどで終わりました。

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結果、反りは残るものの3分割しているおかげで1つあたりの反りはかなり小さく抑える事ができましたので、これで良しとしましょう。

次に本題の台車をモデリングしていきます。TH-1000型台車(川崎重工形式KW-11)は、当時量産されていた国鉄DT32型台車を標準軌に改軌しダイレクトマウント化したもので、100km/h以上の高速化を考慮しブレーキも両抱きに変更されています。そのため、ウィングばね部分は101系のDT21からの系譜を受け継いだ構造となっていて、ほぼ同じ(というか設計流用でしょうね)です。なので、この部分さえしっかりとモデリングしておけば、国鉄型の台車にそのまま流用できるはずです。
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この写真は1985年に撮影したTH-1000のアップ写真です。中学生の頃から台車に興味があったんでしょうね(笑)。確かにこの頃にはGMの板キットに挑戦していたので、色々資料集めをしてたんでしょう。フィルムがネオパンSSというのが時代を感じさせます。

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Fusion360モデリングします。中央から右側を作成し、ミラー&コピーで4箇所の軸バネの部分を作成していきます。

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そしてモデリングが一通り終わった形がこちらです。ミラーで作成したので、左側のコイルバネが逆巻きになってしまっているのですが、プリントしたらほぼ判別が付かないのでこのまま行ってしまいましょう(笑)。これを一旦テストプリントしてみます。

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テストプリント1回目がこちらです。初回の割には結構まともにできていたので設計上の問題はなさそうに思われたので、仮にカトー製車両に装着してみました。

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京急の台車を横須賀線に装着するという無茶をしていますが、カトーのねじ止め台車仕様に装着できる事が確認できましたが、ちょっとボルスタ位置が低い&回転が渋いのでボルスタの設計を変更してみましょう。

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仮装着の後、もう一つの台車を装着させようとしたら、台枠根元部分でポッキリ折れてしまいました。実物の車両でも東武10000系や北総7300系で大枠根元でポッキリ折れて脱線する事故が発生していましたが、こういった造形を行ってみると応力集中して折損する事故が起きてしまうのも頷きます。

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という事でボルスタを0.8mm上げて台枠根元部の補強を追加、ついでにカトーの集電板の装着スペースとカプラーポケットの造形を追加しました。車体装着のカプラーの方が良さそうな感じもしますが、最近カトーカプラーのコスパの良さに気づいてしまい、TNカプラーは中間車では付けないようになってしまっているので、カトーカプラーを付ける前提で付けてみました。

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ChituBoxでスライスし、2回目のテスト印刷を行います。10度程度傾けて印刷を行いました。

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 テストショット2回目がこちらです。だいたい思った通りの出来栄えですね。この角度ならブレーキ管も潰れずに済みそうですし造形も潰れることもないので、本番プリントもこの条件で行うと良さそうな感じです。`